先日ケンウッドより車載カメラ2機種が発売となりました。
メーカープレリリースはこちら↓
http://www.kenwood.co.jp/newsrelease/2010/20100218_03.html
当社の注目は何と言ってもマルチビューのCOMS-300。
こちらはカロND-BC30ⅡやアルパインHCE-C200FD・C200R、イクリプスBEC309のように
映像処理により視点が変えられるタイプですが
注目点は正像・鏡像の切り替えが可能=フロントカメラにもバックカメラにも使えるって事です。
接続も汎用RCAタイプなので汎用性も高いと思われ(これは最後に・・・)
フロントカメラとしては、ここのところ一人勝ちだった?アルパインHCE-C200FDの対抗馬になるのでは??と・・・
カタログスペックを比較して見ると、
大きさ、レンズ性能はほぼ同等、画素数ではアルパインの圧勝ですが、画角と照度範囲はケンウッドが勝っています。
これは・・・・検証するしかない!!って事で、
すでにアルパインHCE-C200FDとHCE-C200R搭載済の当社代車、ラクティス君にとりあえず貼り付けてテストしてみました。
とりあえずのテストなのでアルパインフロントカメラのすぐ下に貼りつけ。
このカメラは普通のカメラと同じくノーマルの台座のみで、
アルパインのようにナンバープレートに取付けるステーは付属していません。
取付イメージとしてはカロッツェリアのND-FC100(Ⅱ)と同じ感じです。
目印はこんな感じ
ナンバーの真下にタバコの箱、車幅左にカメラの箱、右にバッテリー、
そしてバンパーラインの横延長線上に蛍光灯を置いています。
(すみません・・・左の蛍光灯は途中で無くなってます・・・
&もっとちゃんとしたわかりやすい場所で写真撮れ&検証しろよ!っご意見は承知してますけどご容赦を・・・とりあえず僕の趣味&仕事の合間にやってますので・・・・)
以後の写真は左がケンウッド、右がアルパインです。
ケンウッドのモニターはパナCN-DV7700のVGAモニター、
アルパインのモニターはパナCN-HW830Dです。
まずは全体確認のスーパーワイドビュー(アルパインではパノラマビュー)
やはり画素数で上回るアルパインがきめ細かで鮮明、明るさも明るいですが、ケンウッドも充分な画質で気にはなりません。
そしてケンウッドの最大の特徴は正面をみてみればわかりますが水平190度のスーパーワイドビューなのに、歪が全く無い!!
(アルパインは真中からに歪が集まる為、正面も丸く歪んでいます)
かと言ってカロッツェリアの映像調整カメラのように画像が粗くなってもいない・・・・・
これは見事&映しだされる範囲も若干アルパインより広いですが、
その分距離感はつかみ難い感じです・・・・・
ちなみに、ケンウッドはカメラ自体にガイドライン表示機能あり、
ガイドラインは細かく調整可能です。(テストでは未調整です)
又、ガイドラインの表示・非表示はボタン一発で切り替え可能です。
次にワイドビューですが、こちらはアルパインHCE-C200FDにはモードが無いので比較はリアカメラの方で・・・
とりあえずケンウッドはこんな感じ・・・
こちらは水平135度のワイドビューで映像処理が多い為、前方の映像は不自然に粗くなっていますが、
これは映像補正カメラの宿命。カロッツェリアカメラに比べれば良い方でしょう。
次に俯瞰ビュー(アルパインではトップビュー)
これは殆ど同じ感じ、やっぱりアルパインの方がきめ細かです。
しかし、すでにお気づきのことと思いますが、アルパインカメラは鮮明で明るい分、色もかなり白っぽいです。
それに比べケンウッドは現実の色を忠実に再現していますが暗いです。
次が当社が”フロントカメラが便利”とお勧めする最大の理由のコーナービュー
これも殆ど今までと同じ、鮮明さ・明るさ・距離感はアルパイン、画角はケンウッドと言う感じ・・・・
どちらもキッチリ真横が見えます。
最後はケンウッドのみの特徴、PinPビュー。
これは下にワイドビュー、上に俯瞰ビューを表示します。
この画像をみるとケンウッドの特徴として、元画像に一律に補正をかけるのではなく、
それぞれ必要な部分だけを表示・補正をかけているので
どの画像も歪が少ないのに画像も粗くない・・・と言うのが特徴かと思います。
ここで・・・・気になる暗い場所での映像。
アルパインHCE-C200シリーズの最大の弱点として、暗い場所では白黒になってしまう・・・ってのがあるんですが、このケンウッドではどうか?
この日のテストは雨の日の夕方、工場内でシャッターを閉めて撮影していたので
光は窓からのわずかな外光と工場の照明と言う状況でした。
そこで工場の照明を落としてわずかな外光のみで見てみると・・・・・・・
スーパーワイドビュー(パノラマビュー)
俯瞰ビュー(トップビュー)
見事に暗い中でも色が出てます・・・・・って言うか・・・これはアルパインが弱すぎるってのが真実。
アルパインは通常の光量だと超鮮明&画像が明るい分、色に関しては光量が少ないとパワーダウンするのです・・・・・・
続いてカメラをリヤに持って行って鏡像にセットしてバックカメラとしてHCE-C200Rと比べてみました。
取付位置はこんな感じ。
ナンバー右横にアルパインを埋め込んであるのでほぼ対称の左側に貼り付け。
埋め込んでない分、上部はクリアに見えますのでその点はご了承を。
*尚、リヤカメラの画像でアルパイン側に出ているガイド線はナビ(パナソニックCN0-HW830D)の機能です。
まずはスーパーワイドビュー(アルパインではパノラマビュー)
基本的に明るさと画像の鮮明さはアルパイン・画角はケンウッドと言うのは変わりませんが
ここでケンウッドとアルパインの補正方法の違いが良くわかると思います。
ケンウッドはほぼ車両幅までは直線的に表示(=バンパーラインと正面の映像は歪みがない)、
車両幅から外れた部分から一気に補正(=左右両端で一気に歪む)しているのに対し
アルパインは一律に近い補正の為、真中から全体に均等に歪が生じています。
次にバックカメラの標準?的な画像であるべきワイドビュー(アルパインではバックビュー)
ケンウッドはちょうどバック駐車時に必要な分を強調して補正している感じです、
アルパインHCR-C200Rは見ての通り、このバックビューの画角が非常に狭いのは以前もお伝えした通り弱点。
1.5~2m以上の後方は見えないため、実使用ではバックビューでは無く、パノラマビューを使う事になるのでしょう。
ただ、画像はやっぱり鮮明ですから駐車の最後の方に寸止めをしたい時のみ有効かと思います。
次がコーナービュー。
これはフロントと同じですね。
どちらも必要な状況では充分使えると思います。
次はバックカメラでは一番使いそうで・・・
実はあんまり役に立たない(と僕は思ってます)俯瞰ビュー(アルパインではトップビュー)
これだとケンウッドは画角が広すぎる?せいか車幅以上を充分映し過ぎ?
画像の鮮明さも手伝ってアルパインの方が感覚は掴みやすいかもしれません。
最後はケンウッドのみでPinPビュー。
下のワイドビューで後方全体を、そして車両直後は上の俯瞰ビューで表示、ガイド線の切れ目で画像がわかれています。
ワイドビュー単体画面なら車両直後も見えるのですが、あえてそこはカットして俯瞰ビューに任せています。
これは意外と使えるかも・・・・・
過去のカメラ関連記事をみて頂ければわかると思いますが
ビュー切り替えのあるバックカメラを当社ではあまりお勧めしておりません。
これはバックの最中にモニター見つつ・更に画面切り替えて・・・なんてやるのはかえって危険&そうそう使わないと思うからです。
ゆえに、アルパインHCE-C200Rもコーナービューを必要とする環境(車庫からバックで通りに出なければならない等)の方のみにお勧めで
そう言う環境で無い方には一般的なバックカメラで充分とご提案してまいりました。
近年の一般的なバックカメラは、後方からバンパー直前・車幅と、バック時の後方確認に必要充分な画角を持っている為、
下手に超広角でモード切り替えができるマルチビューカメラより、
一目で全体が見え、距離感もつかみ易い一般的なカメラの方が安全かつ使いやすいと思うからです。
そういう観点で言えば、このケンウッドもバックカメラとしてはお勧めってわけではありません。
が、通常の固定バック画面としてはアルパインが実質パノラマビューしか使えないのに対し、
スーパーワイドビュー・ワイドビュー・PinPビューのどれもが使える・・・と言うのは利点かもしれません。
よって、マルチビューのバックカメラの中で比べるなら、
カロッツェリアより画像は粗くない・見易い、
アルパインより実用性が高い・ガイドラインが出る
と言う点で良いかもしれません。
ではフロントカメラとしてはどうかと言うと・・・・
上記の通り、アルパインと比べると実用レベルでは遜色ありませんし、価格が安いのが魅力。
が・・・・問題として接続方法が残ります。
と言うのも、このケンウッドカメラには
オンオフスイッチや他のカメラの入力系統は一切ないのです。
アルパインやイクリプスのフロントカメラは汎用として使う場合、
別売の電源ボックスを利用すれば
フロントカメラ非対応のナビ(モニター)にでも
バックカメラの入力を利用してカメラ側のボタン一発でフロントカメラ映像表示可能、バックカメラとの併用も可能でした。
(ただし、自車位置ずれの問題はあります)
が、このケンウッドはこれができません。
ゆえに、フロントカメラとして普通に使用できるのは
フロントカメラ(もしくはオプションカメラ)入力がナビ側にあるナビ
(08年以降のサイバーナビ・クラリオン現行ナビ)に限られるのです。
フロントカメラ非対応のナビにフロントカメラとして使用するには
・AUX入力として接続する(表示までの操作が面倒な上、走行中の視聴制限かかります)
・別途スイッチを作ってバックカメラ入力に接続する(自車位置ずれが起こる&バックカメラとの併用不可)
となり、かなり制限がかかります。
フロントカメラとバックカメラを併設する場合は
やはりアルパインやイクリプスの圧勝となってしまうでしょう。
*厳密にはAVセレクターを使う等の技を駆使すればバックカメラとの併用も可能ですが現実的ではありません。
と大雑把に紹介しましたが、このケンウッドの魅力は
何と言っても価格が安い事。
定価ベースで税込¥35,700-で電源ボックスも付属です。
アルパインがカメラ本体+電源ボックスで¥41,790-と比べるとお得です。
ゆえに、現段階では
・マルチビューバックカメラが欲しい
・サバ―ナビORクラリオンナビにマルチビューフロントカメラを付けたい
って方には性能的にもお勧めできるかと思います。
ちなみに、今後発売される予定のケンウッドナビには
このカメラでフロント&リヤカメラ併設が可能になるようですが
対応ナビとの組み合わせで使い勝手が好いのは当たり前・・・・
このブログの”カメラ関連”カゴテリーは、メーカーが教えてくれない?他社製ナビとの組み合わせを中心にお話しておりますので・・・・・・・(^_^;)
by大塚専務
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